鳳来松きのこと白いきくらげ栽培のご紹介

松きのこを栽培している鳳来のこの地は国定公園内ということもあり、多様な野生動物が生息しているため食害により作物の栽培には不向と言われています。周囲のほとんどが耕作放棄地です。また、山々が迫っているため一日の日照時間が短く栽培可能な作物も限られます。このような条件の下で栽培可能な作物として松きのこ栽培に取り組むことにしました。
水道も農業用水もないこの地で水の確保は難題でした。最終的には敷地内の地下40メートルに及ぶ岩盤を掘削し、その深水をくみ上げ栽培に利用しております。
この松きのこは菌床(広葉樹のおがくずをブロック状に固め菌糸を培養)で栽培したものです。4か月間の培養期間を経て、約3か月間きのこの収穫が可能となります。収穫するまでには余分なきのこの間引き作業を毎日怠ることなく続ける必要があります。また、きのこは成長が早い(菌床からきのこが顔を出して3日程度で収穫適期)ため収穫のタイミングを外すことができません。
ハウス内の環境を十分管理しているため、病気や害虫は発生せず、農薬等を使用することはありません。また、作業時も松きのこを直接手で触れることはありませんので安心して召し上がっていただけます。

 

温暖化の影響もあり夏場も涼しかったこの地域も熱帯夜が続くなど松きのこ栽培が難しい環境となってきました。そこで夏場にも強いきのことして「きくらげ」に注目し、2021年夏より「白いきくらげ」の試験栽培を開始しました。翌22年4月より菌床による本格栽培を始め、徐々に販売数を増やしているところです。

白いきくらげを『鳳来きくらげ』と名付け、今後は秋冬場に松きのこ、春夏場に白いきくらげと季節ごとに適したきのこの栽培をしてゆくつもりでおります。